「リモートワークどうですか?」に対する回答を考える
今、自分が働いている会社はリモートワークを推進していて、自分自身も週3~4でリモートワークをしています。そういう状況なので、最近よく「リモートワークってどうですか?上手くいきますか?」と聞かれることが多いです。自分に関して言えば、リモートワークは「上手くいっていて最高!」なのですが、世の中では「リモートワークの失敗例」というものも表面化していて、一概に「リモートワークはイイ!」「リモートワークはワルイ!」で語ることに限界を感じていました。
ちょうど良い案件があった
そんなことを考えているところに、リモートワーク導入を考えている会社の友人から質問リストをもらったので、それに回答しながらリモートワークにおける戦略とメリットデメリットを整理してみました。 基本的にここに書いたことは自分の経験を元に仮説として考えたものでたたき台のイメージです。これを元にリモートワーク導入について誰かと議論できたらいいなと思っています。また、結果的に弊社のリモートワーク事例の紹介にもなりました。
質問リスト
それでは、下記の質問に答えていきたいと思います。
①リモートワークと会社出勤、両方選べるならどっち選ぶ? ②その理由はなんで? ③リモートワークで起きるいいこと ④リモートワークで起きる悪いこと ⑤生産性あがった? ⑥会社として生産性管理やモチベーション管理はどうしてる? ⑦MTGはどうしてる? ⑧今後リモートワークができる会社に有能な人は集まると思う?
①リモートワークと会社出勤、両方選べるならどっち選ぶ?②その理由はなんで?
タスクによって向き不向きがあると感じているので、ときと場合によって使い分けています。
分類してみる
具体的には下の図のように分類できるのではないかと、ふわふわ考えています。
まずタスクの分類です。色々な分け方があるかと思いますが、今回はタスクの難易度、意思決定の頻度で見てみました。
自分の場合は
- A(タスク難, 連絡 少): 基本的にリモートワーク
- B(タスク易, 連絡 少): どちらでも良い(都合の良い方)
- C(タスク易, 連絡 多): どちらでも良い(都合の良い方)
- D(タスク難, 連絡 多): 基本的に出社
するようにしています。こう見てみると、タスクが簡単であれば、リモートでも出社してもそんなに生産性に差がなく、タスクが難しく複雑なときは生産性に大きく影響するのではという仮説を立てることができます。リモートワークの生産性に関して語るのであれば、タスクを分類して生産性が下がりそうなタスクに対してどう対応していくかが大事だと思います。
割合は?
人によってバラバラだと思いますが、自分はざっくりと下のような感じです。
A(タスク難, 連絡 少)の割合が多く、(Aに集中させてもらえてるのは貴重なことだと思うので感謝してます)リモートワークで生産性がかなり上がった、と感じています。
③リモートワークで起きる良いこと
「リモートワークできる」ということは単純に人生というRPGの自由度が上がるということなので良いことはたくさんあります。
仕事に集中できる
オフィスで働いているときはいろんなインターラプトがありました。 誰かに質問されたり、近くで気になる会話をしていて耳をそばだててしまったり。 これは良い刺激だし、楽しいのですが、やはりフロー状態に入る回数は少なかったと思います。 今はインターラプトは宅急便くらいしかないし、集中できる時間帯(自分は深夜が一番捗ります)にまとめて作業できるので捗ります。フロー状態に入る回数はかなり多くなったと思います。
土日が「真の休日」になる
これはリモートワークしていないと意外とわからないかも、と思いました。 以前も土日は休みだったんですが、平日にできない家事や荷物受け取り、市役所・病院に行く用事などをするのに毎週半日は使ってたと思います。今はこれらの作業は全て仕事をこなしながら平日に行ってます。なので土日は完全に自分の時間として使えます。
家族との時間が取れるようになる
僕は独り身なので実感は薄いのですが、チームのメンバーを見ていると「子どもの送り迎え」や「ご家族の看病」など家庭へのコミット度がハンパないなと感じます。お子さんを膝に載せながら働いているメンバーを見ると微笑ましすぎてとても幸せな気持ちになってしまいます。普通に「自分の父親もこういう働き方していたら母親はありがたかったろうな〜」と思うことが多いです。
健康になる
これは人による、と思いますが、自分は転職前は食事は基本的に外食、運動は時間が取れず出来てないという、まさに現代人、な状態だったのですが、今は、食事は自炊が8割、毎日2回ジョギング、週に3回トレーニングしている状態なので、激変したと思います。食事も野菜の量に気を使ったりできるようになりました。「それってリモートワーク関係なくない?」と思われるかもしれませんが、実際リモートワークして変わったのです。多分、時間と精神的な余裕のおかげかなと思ってます。
※福利厚生と書いてありますが、会社の福利厚生ではないです。笑福利厚生がすごい。蒸し野菜が美味い pic.twitter.com/OUKj7OITod
— ikedaosushi (@ikedaosushi) July 9, 2018
遊びの自由度が広がる
遊びたいときに遊び、働きたいときに働くスタイルになりました。 ふつうの平日の昼間に外で流しそうめんをするなんてリモートワークしなければ考えられなかったです。
流しそうめん楽しかった🤝 鶏肉を食べることに注力しすぎて今日気付いたら6食食べてて自分に引いた pic.twitter.com/pyopX2Q26U
— ikedaosushi (@ikedaosushi) 2018年8月1日
④リモートワークで起きる悪いこと
上述させてもらった内容になりますが、「リモートワークできる」ということは単純に(自分も他のメンバーも)人生というRPGの自由度が上がる、ということなのでリモートワークすると絶対に起きる「悪いこと」というのは存在しないと思います。ただ、RPGと同じ(?)で自由度が上がれば難易度も上がります。では「何ができなかったら、どんな悪いことが起きるのか」を考えてみました。
上記のように「組織としてカバーすべきこと」「個人がカバーすべきこと」のどちらかが達成されなかった時に悪影響が発生すると考えています。この図自体はリモートワーク関係ないのですが、リモートワークは非リモートワークに比べて「組織に求められるもの」も「個人に求められるもの」もレベルがかなりあがるイメージがあります。
⑤生産性あがった?
①に書いたAのタスクに関しては非常に生産性が上がったと感じてます。 入社して3ヶ月で月間MVP、上半期MVPもらえたのはこの生産性向上がなかったら(リモートでなかったら)絶対できなかったと思ってます。(MVPはちょっと自慢。笑)
ikedaosushi on Twitter: "全社MVPをもらって喜ぶ28歳。入社して3ヶ月、大変な事もあったけど、頑張ってきた事を評価してもらえて本当に嬉しい🙌🙌🙌… "
⑥会社として生産性管理やモチベーション管理はどうしてる?
OKRを使って目標管理を行っており、全社、部門、部署、PJとドリルダウンしていく仕組みになっています。 モチベーション管理というかわからないですが、働きやすい環境をつくる工夫はたくさんされていて、その一部はBlogでも紹介されています。
- Kaizen Platformで行っているOnboardingプロセス - Kaizen Platform 開発者ブログ
- リモートワークと心理的安全性と雑談、あるいは小咄 (こばなし) の話 - Kaizen Platform 開発者ブログ
- 木曜午後に「ミーティングしませんDay」を試験導入して、組織としてまとまった時間を作っている話 - Kaizen Platform 開発者ブログ
⑦MTはどうしてる?
Zoomを使って行ってます。通信状態が悪くてもかなり繋がりやすいし、画面シェア機能の細かい設定ができるので便利に使ってます。 また、リモートワークだから得られた面白い利点みたいなものがあったので書いておきます。
オフィスにいてもリモートMT
今の会社に来て面白いなと思ったのは、MTに出席者が2人以上オフィスにいても参加者の何人かがリモートだとZoomでリモートMTするということです。最初はえ?と思ったのですがやってみるとパラダイムシフトが起こりました。どんな状況でもZoomを使う(使える)、ということはMTする相手がどこにいるか、や、MTの場所を一切考えなくていいんです。 今はMTを開催するまで/されるまで、の精神的障壁がかなり低く「MTの内容に集中できている」と感じます。’
どんなMTにでも参加できる
会議室ごとにZoomのURLが設定されているので、会議室で行われるような「経営会議」などには自由に参加して話している内容を聞くことができます。オンボーディングの一貫で自分が参加しない部としての方向を決定するMTにZoomで参加して部としての現状を把握するのは、その後の仕事にとても役立ちました。
⑧今後リモートワークができる会社に有能な人は集まると思う?
これは一般論半分という感じですが、下の図のように「A(リモートしたい人の集合)」「B(リモートしてもしなくても良い人の集合)」を書いた時にそれぞれに一定の割合で「優秀な人」がいるはずなので「リモートOKな会社」の方が当然、優秀な人を雇うチャンスは大きいと思います。
今後、という話だと図にも書いたとおり、時代に合った働き方をしたい、みんな考えていると思うのでA(リモートしたい人の集合)が増えてくると思います。 そうなると「リモートOKな会社」の方が優秀な人を雇うチャンスはどんどん大きくなってくるのではないでしょうか。
さいごに
以上で質問への回答は以上です。今更ですが、自分はリモートワークをしているし、リモートワークが好きなので完全にポジショントークです。また、本当はもっと細かく詰めたいところばかりなのですが、体力が尽きたのでまた誰かと議論してまとまってきたら追記していきたいと思ってます!